香川県高松市の噛み合わせ専門歯科医院　吉本歯科医院の吉本彰夫です。

総入れ歯が合わなくなったので作り替えたい

何回総入れ歯を作り替えてもすぐに合わなくなってしまう

というご相談非常に多いです。高齢になると入れ歯を使い始める方もどんどん増えてきています。多くの患者さんおっしゃられるのは

「もっとピタリと合う入れ歯を作って欲しい」ということです。そう思われるのは当然ですよね。

まずは入れ歯がどうして合わなくなるのか？その理由をお話させて頂きます。

最初は合っていた入れ歯が合わなくなる2つの原因

①入れ歯装置に原因がある場合

入れ歯装置そのものが破損してしまった場合は合わなくなります。破損は落下やふみつけてしまった等、取扱方法を誤ったことにより壊れてしまった場合もありますし、継続的な噛む力がかかりすぎて入れ歯装置そのものが変形したり損傷してしまった場合です。

②患者さんの顎の骨の変形に原因がある場合

患者さんご自身の顎の骨が痩せて変形してしまった場合です。歯を失い入れ歯装置を使い続けていると顎の骨が痩せて変形していきます。そのため最初はピタリと合っていた入れ歯装置が合わなくなってしまうことが起こりはじめます。これは多くの方にあまり知られていないことでもあります。

②番目の原因「ご自身のアゴの骨が痩せて変形してしまった場合」については、ご存じない方がほとんどです。多くの患者さんは「入れ歯が変形して合わなくなったんだ」と思って来院されます。しかし実際には入れ歯装置というものはプラスチックか金属でできています。そうそう簡単には変形はしません。変形してしまったのは患者さんご自身のアゴの骨が痩せて変形していったことにより硬い入れ歯装置がだんだん合わなくなってきた、ということなのです。総入れ歯を長年使い続けた方で合わない総入れ歯を我慢して使い続けている方もいらっしゃいます。我慢して使い続けているうちに歯を支えている骨までどんどん変形し、顔貌まで変形し、ちょっと入れ歯で噛んだだけで痛くてたまらないという生活を過ごしていらっしゃる方が本当に多いのです。

総入れ歯を長年使い続けた方が「総入れ歯をいれると神経に触るように痛い」「絹ごし豆腐のような柔らかいものを噛んだだけでも電気が走ったように痛い」こんな風におっしゃられて当院にお越しになられます。

硬い入れ歯と柔らかい歯茎

入れ歯装置は、歯茎の上にポンと乗っけているだけのものなんですね。歯ぐきの下には骨があります。

ちょっと想像してみてくださいね。

ここに柔らかい座布団があります。

その上にあなたが正座して座ったと想像して下さいね。

座布団を見るとあなたが座って体重がかかった部分がへこんでいますよね。

特に柔らかいふかふかの座布団ほど、へこみ具合が大きくなりますよね。

実は入れ歯はこの原理と同じです。

座布団はあなたの歯茎です。歯肉（しにく）です。つまり柔らかい肉です。

座布団の上に乗ったあなたの体重が50キロだと仮定します。

50キロというのはあなたが「噛む力」を意味します。

総入れ歯はプラスチックです。もしくは金属でできています。

プラスチックや金属ですのでそうそう簡単には変形しません。すごく硬くできています。

総入れ歯は、歯茎の上にパカッと乗せているだけの道具です。

柔らかい歯茎の上に、入れ歯という硬い物をただ乗せているだけ、入れ歯安定剤などを使って密着させているだけのものです。

入れ歯でご自分の歯があった頃の時と同じようなお食事をしてしまいますと力がかかりすぎて歯茎に大きなダメージを受けてしまいます。

噛む力は女性で１00キロ男性だと200キロもの力がかかると報告されています。

噛めば噛むほど深いへこみができるのです。そして毎日毎日お食事をされますので、3度3度の食事の際、おやつの際に、どんどんどんどんダメージを与え続けていっているのです。
イメージしてみて下さい。肉の塊を何度も何度もギュッギュッと押さえていると肉に押さえた形が凹んで元に戻らなくなります。さらに歯茎の下にある骨を傷つけてしまうのです。

顎の骨が痩せて変形するのは顎の骨が吸収されることで起こります。顎の骨が吸収される原因はさまざまあります。歯周病の進行が原因によるもの骨粗しょう症が原因のもの。歯周病が進行すると、歯周病菌が歯槽骨まで到達し、歯槽骨を破壊していきます。これらのいくつかの要因が合わさることで、顎の骨は吸収されてしまい、義歯の不具合につながってしまうのです。また、入れ歯を使い続けることにより顎の骨が痩せて変形していくことがあります。入れ歯が歯茎の上に乗っかっているだけのものです。顎の骨の上には歯茎がありその肉の上に入れ歯装置がのっかっているだけです。つまり歯がないところに強い圧力、噛む力がかかり続けることによりどんどん骨が吸収されるスピードがはやくなっていくことがあります。

これらの原因で解決できるものと解決できないものが、あります。一つ一つ解決することで状態が変わってきます。こういうお悩みをお持ちの方はまずはご相談下さいね。